公正証書遺言と自筆証書遺言の違いは?

公正証書遺言と自筆証書遺言の違いは?

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

遺言書には多くの種類がありますが、一般的に利用されるのは、「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」のいずれかになります。「自筆証書遺言」は本人による手書きで作成する遺言で、「公正証書遺言」は公文書である公正証書の形で作成する遺言です。より安全で確実な「公正証書遺言」をお勧めしておりますが、手軽に利用できる「自筆証書遺言」のサポートも行っております。
 「遺言なんてまだ早いわ。」と思われている方には「とりあえず自筆証書遺言」という選択肢もございます。
では、まずその違いについて簡単にご説明致します。

作成方法の違い

自筆証書遺言
  • 遺言者本人が全文を手書きする。
  • 財産目録のみ手書き不要。
公正証書遺言
  • 公証人と証人2名以上の立会いのもとに公証役場で作成。

 

作成費用の違い

自筆証書遺言
  • ほとんどかからない。
  • 遺言保管制度を利用する場合は3,900円。
公正証書遺言

 

保管方法の違い

自筆証書遺言
  • 自宅で保管するか、もしくは法務局で保管。
公正証書遺言
  • 「原本」は公証役場で保管、「正本」「謄本」が遺言者に交付される。

 

相続開始後の手続きの違い

自筆証書遺言
  • 法務局で保管されている場合は、検認は不要。
  • 自宅等で保管されている場合は、検認が必要。
公正証書遺言
  • 遺言の内容を公証役場で確認できる。
  • 検認は不要。

自筆証書遺言のメリット・デメリット

●メリット

  1. 手軽に作成できる。
  2. 費用がからない。
  3. 保管制度を利用すれば偽造、紛失のリスクがなく検認が不要。

●デメリット

  1. 自宅保管の場合、偽造、紛失のリスクがある。
  2. 形式の不備で遺言が無効となるリスクがある。
  3. 自宅保管の場合、家庭裁判所での検認が必要となる。
  4. 家庭裁判所に検認の申立てをしてから執行までに通常1ヶ月程度かかる。

◆公正証書遺言のメリット・デメリット

●メリット

  1. 公証役場で保管するので紛失、改ざんのリスクが無い。
  2. 法律の専門家が関与するので、形式の不備等で無効になるリスクが無い。
  3. 家庭裁判所での検認が不要。

●デメリット

  1. 費用がかかる。
  2. 証人2人の立ち合いが必要。

◆まとめ

簡単にまとめますと、「自筆証書遺言」は作るのは比較的簡単で費用も抑えられる代わりに、遺言者が亡くなった後の相続手続きが大変。逆に「公正証書遺言」は作るには手間暇がかかり費用もかかりますが、相続手続きはスムーズに行きます。
 確実に財産を残したい方がいる場合や、相続財産の額が大きい場合には、「公正証書遺言」が使われることが多いです。